日時: | 2008年2月15日(金) 13:30?15:00(終了後、茶話会開催) |
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場所: | 理学部1号館4階化学第1講義室(公開、来聴歓迎) |
講師: |
高岡聡子博士 (元東大医科研講師、獨協医大助教授、現在は組織培養記念研究所員として研究中) 【略歴紹介】「組織培養入門」などの著書で知られる講師は、故勝田甫博士とともに第二次世界大戦後の日本で初めて組織培養に成功、様々な細胞培養のパイオニアとして活躍。 |
内容: |
私の恩師?故勝田甫先生は東京大学病理学教室の出身でした。病理学の研究法である生体の中で起こっている細胞たちの変化を固定し顕微鏡下に観察することに限界を感じておられた先生が、生体の組織を試験管の中で生きた状態で観察しようとして、伝染病研究所(現在の医科学研究所)に移られたのが1950年、高校を出ただけで科学について全くの素人であった私が試験管洗いを手伝うつもりでその研究室に入ったのは1951年でした。そしてなぜか、2008年の今日まで私は試験管の中の細胞たちと付き合っています。 勝田先生の研究目的は、生体の中で起こる癌という病気を、直接に観察できる試験管の中の細胞(組織培養)を使って解決しようというものでした。当時は化学物質を使って実験動物に癌を作る実験が成立していました。それらの実験を参考にして、動物の組織を培養し試験管の中で発癌物質を作用させ、癌化にいたる経過を観察しました。 試験管の中での経験が生体の中でのそれと異なっていたのは、実験動物?ラットやマウス由来の細胞は培養を続けるだけで試験管の中での増殖能を獲得し殆どの系が悪性化してしまうことでした。発癌物質を作用させることで試験管内発癌実験に成功した喜びは短期間だけのものでした。そして、ヒト由来の細胞たちは試験管の中での発癌実験はなかなか成功せず、試験管の中で老化現象を起こしてしまうのでした。 今回は細胞を生かす術および細胞のもつ様々な顔と動きを、顕微鏡映画を交えてお話します。 |
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