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2016年11月14日更新
K.M.さん (韓国)
学部
生活科学部?人間生活学科?生活社会科学講座
2002年ごろ、韓国人シンガーのBOAさんが日本のチャート1位になったことで、韓国では日本への関心がすごく高まりました。私もBOAさんの歌を聞きながら初めて日本語に触れました。ちょうど姉が日本語を勉強していたこともあり、私も趣味として日本語を始めたんです。
大学に進学するときには、せっかく日本語も学んだし、韓国の企業でも日本の経済?企業経営の評価が高かったので日本の大学へ行こうと考えました。就職活動に有利という面もあります。私はマーケティングや経営に興味があり、日本の社会や消費活動について幅広く学びたかったので社会科学系の留学先を探すことにしました。
学費の心配もあり、国立大学だけに絞ってリサーチしていました。また、私は高校までずっと男女共学でしたので、女子大学はどんな感じだろう? という興味がありました。国立の女子大学だと、奈良女子大学かお茶の水女子大学の2つですが、やはり東京への憧れがありましたので…。最初はそんな理由からお茶の水女子大学に興味を持ったんです。
ホームページなどでいろいろ調べてみて、お茶の水女子大学は学生に対しての支援がとても厚いと思いました。東京のある有名私立大学に通っている友人からは、確かに国際課またはセンターなどはあるけれど留学生一人一人に対するサポートはあまり充実してないと聞いたことがあったのですが、お茶の水女子大学は少人数制で、個人をいろいろとサポートしてくれる点がとても気に入りました。たとえば、就職に役立つキャリア支援だったり、社会人の先輩とのつながりや、企業訪問だったりといったプログラムは素晴らしいと思いました。
お茶の水女子大学にも韓国からの交換留学生または、大学院に在学する韓国人は結構いますが、学部に入学する韓国人はもちろん、学部留学生自体の数少なくて少し不安はありました。でもそれが日本人学生と仲良くなれるきっかけになりましたね。
日本語は韓国で5年間ほど勉強していたので言葉は問題ありませんでしたが、大学側のサポート体制に助けられたことはたくさんあります。家族から遠く離れて留学していると、本当に困ったときに誰に相談すればいいのか不安なものです。学校の中に留学生相談センターのほか、さまざまな相談室がありますが、相談室のみならず担当先生や国際課の方々など、人間関係や経済面、メンタルヘルスなどといったプライベートなトラブルにも親身になって相談に乗っていただきました。
学業面では、お茶の水女子大学は他の大学に比べて学部も少なく、少人数制なので、先生とのコミュニケーション、指導やアドバイスがたくさん受けられます。所属した学部を超えて幅広く勉強したいと思う人は、ぜひお茶の水女子大学を受験してみてほしいと思います。
また、今年からお茶の水女子大学と一橋大学の間で、単位交換制度が始まりました。一橋大学は経済?経営では日本トップともいえる国立大学。一橋大学以外にも、ほかの大学と単位交換制度があるため、お茶の水女子大学にない学部の授業も申請をすれば受けられます。これは正規学部生だけが受けられるチャンスです。私は将来的に起業を考えているので、一橋大学の方で経営の授業をとらせてもらっています。
韓国のテレビで流されている東京といえば、渋谷や原宿や秋葉原。でも実際に来てみたら地下鉄の駅ひとつ違うだけでも全然雰囲気が変わります。東京の街は高いビル群のイメージでしたが、都心部をちょっとでも離れたら、緑も多いし、下町の風情や昔の文化が共存していることが凄いと思いました。お茶の水女子大学のある茗荷谷も池袋のすぐ近くでありながらも、とても静かな街で、勉強をする環境としては最高だと思います。
日本での暮らしは、もうだいぶ慣れましたが、最初に来たときは、例えば銀行口座を作るだけでもすごく時間がかかるのでびっくりしました。そういうことは黙っていたら教えてもらえないので、こちらから聞くことが大事ですね。
住まいは大学で紹介してもらえません。代わりに、大学専用の寮が3つぐらいありますが、正規学部留学生が入居できる寮は「大山寮」と「SCC」のみです。私も最初は大学の寮(大山)に入りましたが、今は国際交流館(大学専用ではない)という、いろいろな大学の留学生が入れる施設に住んでいます。お茶の水女子大学の寮では日本語でしたが、今の施設はみんな多国籍なのでほぼ英語で話していて、英語が苦手な私はいつも緊張してます(笑)。学校以外では、韓国語講師のアルバイトをしています。休日は遊びに行きたいのですが、今は卒論を頑張って書いていて遊ぶ時間があまりありません。
当初、卒業後は日本で就職したいと思っていましたが、今は大学院に行きたいと考えています。大学院を卒業したら、日本で学んだことを活かして、日本企業で組織生活を経験してみたいです。そして将来的には起業したいと思っています。日本の学生のなかには、将来は専業主婦になりたいと思っている女性がまだ多くて、私にはなんでだろう?ともったいなく思います。
また、私の知っている東南アジアの学生たちはとても優秀です。そのため、そうした女性の人材や東南アジアからの留学生などを活用した企業を起こしたいです。そして、優秀なアジアの人材をサポートして育てる、広くアジアの国々に貢献できる企業を作りたいと思っています。
「本館の建物が大好きなんです」というK.M.さん。女性の英知をモチーフした、お茶の水女子大学を象徴する歴史的建造物です。