ことばと世界 1 日本語論:高崎 みどり教授 [文教育学部 言語文化学科 日本文学] |
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LA科目を担当して |
この科目は基礎講義の「日本語論」から移行した科目で、そもそも「日本語」とは何か、この日本語のコアを考えて行くのがこの授業です。ですから、資料も出来るだけ「生」のものを使うようにしています。
日本語は紀元1世紀に中国大陸から「漢」語が入ってきてからこれまでずっと「和文」と「漢文」のせめぎ合いを続けています。最近の常用漢字に対して迷走している政府の対応などもその一つです。それらを多角的に考えて行く授業を展開していこうと考えていますが、伝えたいことがありすぎて、半期だけでは短いですね(笑)
日本語にはたくさんの「外来語」がありますが、実は「外行語」という、日本語が他国で定着したことばもたくさんあるんです。古くはフランス語の「Bonze(ボンズ←ぼうず・坊主)」とか、ドイツ語の「Ginkgo(ギンコ←ぎんなん・銀杏=イチョウ)」。最近ですと「かわいい」何かもそうですね。このように日本語は多彩で多様なものなんです。ぜひ、そんなことも考えてもらえたらうれしいですね。
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学生の皆さんへ |
日本に生まれ、日本で育った人であれば、それ(学習した)という自覚のないうちに話しているのが「日本語」です。話せてしまうが故に「日本語」について深く考える機会というのはないんです。この授業がそのきっかけになってくれればいいと考えています。 |
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授業(潜入ルポ?!) |
この日の講義は先生の研究のど真ん中!ということで、ラッキー、とわくわくしながら聴講させていただきました。いくつになっても専門を極めた方のお話というのはときめきがあるものなのですよ。大学っていい所ですねぇ。
配布資料を元に講義は進みますが、板書にとても重要なことやちょっとしたエピソードがテンポ良く、次々と書かれては消されて行きます。
先生が「資料は出来るだけ生のものを」と仰っていた通り、授業の最後にそのとき附属図書館で展示されている「中国女文字」のことを紹介してくださったので、早速のぞいてみました。この授業はたしかに「ことばと世界」の授業なのですが、そのことばそのものが「ジェンダー」の問題を抱えているのだという、長い長い歴史の実物を見ることが出来、この問題の氷山の一角に触れることが出来たような気がしました。
自分の普段使用している「日本語」とその歴史について考える、とても大切な時間をいただいた授業でした。 |
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コメント:高崎みどり教授 取材/写真:教育企画チーム 野口香織 |