ことばと世界 4 文化の記号学:大塚 常樹 [文教育学部 言語文化学科 日本文学] |
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LA科目を担当して |
この授業は、準備も含めて楽しいです。専門は日本文学ですが、今まで培ってきた文学はもちろん、「文学以外」の様々な「記号」を題材に授業を構成しています。
「記号」とは「誰かが決めた」ことによって意味が生じるもののことです。「文化における記号」は、巧妙にメッセージを送ることによって、受け手を動かす(感動させる・考えさせる・言うことを聞かせる・ほしいと思わせる・規範をすりこむ)ことを目的とした戦略的な記号のことです。この「戦略的記号」を発信者の目論見という視点から分析すれば、漫然と受け手としてありつづける我々は目覚め、物事の見え方も大きく変わります。授業は身近でとっつきやすいもの、例えばアニメやお金、キャッチコピー、キャラクター造形などを題材にして、隠されているイデオロギーを暴き出す、という挑戦的な授業です。 |
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学生の皆さんへ |
世の中で見えているものはすべて誰かが決めた「記号」で、「誰かが決めた」以上、そこには隠された意図やイデオロギーがあります。毎日何気なく暮らしている私たちを支配している「背後にある力」に気がつき、それを考えることが、個人の意見を持つことであり、個人の自立もここにあります。 |
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TA(ティーチングアシスタント)より |
大塚先生は、今まで培ってきたものをこの授業で爆発させる! とおっしゃって、大変力を入れています。私も毎回楽しみな、見どころの多い授業になっていますので、是非受講してください。 |
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授業(潜入ルポ?!) |
事前に「過激な授業はやめておこうかな」と言われてしまい「是非過激な授業を!」とお願いしたのですが、この日は授業進行の関係もあり、あまり過激な授業ではありませんでした、ちょっと残念。
とはいえ、この日は「詩」と「花押」、それと中世フランスの「貴婦人と一角獣」のタペストリーの図像学的分析の3本立てです。授業は先生の用意された豊富な資料を見ながら進んでいきます。日常に気にも留めずに通り過ぎていく事象のすべてが「記号」で、その「記号」を解読するにはそれを作った人物あるいは勢力・権力の意図を読む必要がある。それは文章だけではなく、「音」や「絵(絵画だけではなく広い意味で)」それの複合体である「映像」にも存在している。先生のおっしゃる「すべてが記号」ということばの重さ、その範囲の広さに圧倒される授業でした。 |
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取材(:教育企画チーム |