ことばと世界 10 グローバル化社会を生きる:岡 眸 [文教育学部 言語文化学科 日本語] |
|
LA科目を担当して |
私は一般教養と言われているものが、とても大切だと考えているんです。今まで、大学教育では専門教育の前倒しが主流で、一般教養は軽視されてきました。即戦力とは何か、という問いの答えは常に変化しているものですからね。ですから、このLAの科目は、是非やりたかったんです。若い世代の人たちに、何か残していけるものがあるのではないか、と。
この授業は6人程度のグループを作り、グループ内で、ローテーションを組み、担当者は総合雑誌などの活字媒体から自分なりの「目から鱗」を見つけてレジュメを作り、ディスカッションをします。ディスカッションのまとめを翌週全体に向けて報告します。それと、教員側からテーマを提示して、それに対する対話をペアでしてもらっています。色々な断片を寄せ集めて考えて、それを気楽に言葉を使って表現してもらえるように心がけていますが、反省するところもありますね。真剣にことばを使うということを、どう仕掛けていくか、というのが難しいところですね。 |
|
学生の皆さんへ |
自らの目線とは逆の目線があり、それを排除しないで、かっこいい形でなくても、ことばを使ってきちんと対話することができるようになっていってほしいと思っています。
そして、自己と他者との関わりをもう一度捉え直し、自分なりの生き方を探っていってほしいと思います。これからは競争ではなくて共存の時代ですから。 |
|
授業(潜入ルポ?!) |
広い教室のあちらこちらに飛び交う話声。一瞬教室を間違えたかと思って、資料を読み直してしまいました。
この授業は対話とディスカッションがメインだそうで、ちょうど対話の時間にお邪魔したようです。
提示されたテーマに関する対話の時間。そんなに長い時間が取れないのが残念、と先生はおっしゃっていましたが、なかなか活発で、様子を見て回る先生の笑顔がその充実ぶりを物語っていました。
このほか、グループで毎回「何か」(社会的な記事などを中心に、気になったことなら何でもよい)をしらべ、短い時間で発表します。こちらも、自分一人で過ごしていると見逃してしまっているだろうことを調べていたりして、グループの力を感じます。
人や、社会や物事に正面から向き合い、真剣に話をすること。それが新しい何かを生み出すきっかけになるのだ、ということを実感した授業でした。 |
|
取材(文・写真):教育企画チーム 野口香織 |