ことばと世界 12 知能環境論:
半田 智久 [教育開発センター] |
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LA科目を担当して |
この授業では知能環境論という知能をめぐる理論を対話法を使って学ぶと同時に、その理論で展開されることがらを実践的に了解してもらうことを目的にプロジェクトベースの学習、すなわちいくつか事前例示されている事業フレームに沿った制作学習、あるいは一定の課題解決を図るプロブレムベースの学習をおこなっています。こうした学びでは当然、授業時間内では収まりきれない学習や作業が発生しますが、そこは学習マネジメントシステムのPloneを活用してこなしています。授業を始める前はこうした負荷の高い授業がうまく運営できるか、これまでおそらく人並み以上にさまざまな授業をおこなってきたつもりの自分にもさすがに不安でした。しかし、少人数の履修生であったことも幸いして毎回、密度の高い授業のなかで当初の達成目標を十分に満たす見通しの授業ができており、わたし自身、たいへん学ぶところが多い時間を過ごすことができています。LA科目としての自由度がたいへん有効に活かせています。 |
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学生の皆さんへ |
この授業では2つの立場から考えを進めていきます。ひとつは、知能(intelligence)を知的能力ではなく知的機能としてみる立場。もうひとつは、その知的機能を機械論的にではなく環境論的な視座からみる立場です。この2つの観点からあらたにみえてくる展望は何かということについて考えていきます。さらに、この授業では学習マネジメントシステム(授業運営ツールとしてのwikiや授業blogなど)を介した授業時間外学習を積極的におこなうことも目標としています。そのため単に授業時間だけにとどまらない立体的な学びをしていくことができます。
授業そのものが実験モードにあり、幾多のtrial & errorを前提にして進んでいく予定ですので、ぜひ、発見と創発に巡り逢えることを目指して学修していってください。
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授業(潜入ルポ?!) |
私が聴講した日はちょうど知能環境論「内在知」に関する講義の日で、学生の意見や質問との密着した状態で授業が進行していきます。自分で考え、質問することの大切さを教えてくれる授業…のように感じました。
この後、先生の主催する会議(社会人や専門家がたくさんいます)で、学生のプロジェクトの中間報告及び検討会が開かれるそうです。参加する学生に意見を聞いてみたところ、「緊張するけれど、専門の人が来るから是非意見が聞きたいので、それまでに頑張ってまとめてみます」とのことでした。
授業内での検討は深く、密度の濃いモノが得られます。しかし、別の視点を得るという意味で、異なる職種の集まる場での検討会に参加する。それが学生にとって大きな実りをもたらすものになるのではないか、そんな風に感じた授業でした。 |
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取材/写真:教育企画チーム 野口香織 |